股関節の痛みで病院に行くと変形性股関節症と診断され、我慢できなくなれば手術しましょうと言われている。
「酷くならないようにするには?」「今の痛みを改善するには?」このような悩みを、解決するにはどうすればいいか?
このような人は非常に多いです。
今回は、そもそも股関節が変形していく原因を解説し、これ以上ひどくならないようにするための答えにします。
股関節の変形していくメカニズム
変形する流れは大まかに
1、関節の機能不全
2、関節唇の損傷
3、軟骨の損傷
4、骨の変形
の順番で起こります。
それぞれの状態がどうなっているのかを解説します。
1、関節の機能不全
股関節は寛骨臼と呼ばれる穴に、大腿骨頭がハマっている関節で、靭帯や筋肉、そして骨の構造で、安定させています。
これが、筋肉が弱ってしまったり、穴が生まれつき浅かったりすると関節の中が不安定となり、抜けそうな感覚になったり、違和感を感じたりします。
特に大腿骨を寛骨臼という穴に引きつける筋肉は、インナーマッスルにあたり、40代、50代でこの筋肉が落ちてくると一気に変形性股関節症が進行します。
ほとんどの方がインナーマッスルが落ちるとアウターマッスルでかばうことになり、体が硬くなったり、疲れやすくなります。
2、関節唇の損傷
股関節には、大腿骨頭を寛骨臼の穴に吸盤のように引きつける軟骨があり、それを関節唇と呼びます。
関節の中が不安定になってきたり、大腿骨が成長期に負荷をかけ過ぎて変形したりすると、関節唇に大体骨がぶつかるようになり剥がれてしまいます。
これはかなりの激痛で、30〜40代で股関節の激痛に見舞われてレントゲンでは異常なしで1ヶ月くらい痛み止めを服用して落ち着いたという経験をお持ちの方はほとんどが関節唇損傷にあたります。
関節唇は軟骨ですのでレントゲンでは映らず、特殊なMRIの撮り方をしてはじめてわかります。
また関節唇損傷を起こすと関節の不安定性が一気に加速し、変形性股関節症が早まります。
3、軟骨の損傷
関節の不安定性で、大腿骨が寛骨臼にぶつかって擦れると、骨の先にある軟骨がどんどんすり減っていきます。
軟骨は神経も血管も存在しないので、いくらすり減っても痛みは感じず、再生もされません。
*先ほど関節唇は軟骨の一部と説明しましたが、関節唇にだけは神経が豊富なので痛みを感じます。
軟骨がする減っていく時期は痛みを感じず「踊り場」と表現されており、患者様は股関節が治ったと勘違いされて、過ごすことになります。
4、骨の変形
軟骨がいよいよなくなってくると、骨同士がぶつかることになり、痛みを感じるようになります。
この時に、整形外科にてレントゲンを撮ってもらうと変形性股関節症と診断され冒頭で書いたように、我慢できなくなったら手術しましょうという説明を受けることになります。
ここまでくれば、関節の機能を改善しても、構造的に破綻してきますので、筋力が落ちないうちに、入院期間などを確保できるタイミングを見計らって手術することを選択肢に入れます。
どのフェーズでも起こる滑膜炎
関節には滑膜と呼ばれる軟骨を栄養する滑液を出す膜が存在します。
この滑膜に炎症が起こると、じっとしていても痛みが出て、夜間痛など安静時痛が出てきます。
この炎症は繰り返すと周囲組織の変性が進み、変形性股関節症が進行します。
関節内注射などを適用して安静に過ごすことをおすすめします。
最後に
変形性股関節症とレントゲンで撮って診断された時点で、上記の順番をたどって骨が変形してきています。
また別のお役立ち情報の項目でそれぞれの状態に対しての改善方法を記載していますので、ご参考にしてください。
ご自身の状態が分からずお悩みの方は、お問合せください。