立っていたり、長く座っていると、足が痛くなってきた。そのうち治るだろうと思い、放っておくと痛みが次第に強くなってきた。
不安になり調べてみると、脊柱管狭窄症の症状に当てはまる。
書いてあるのは、最悪は「手術」ということ。
でも腰を手術して神経に当たったら…と考えると不安で手術はできるだけやりたくない。
そんなあなたに、ご自分で良くなるパターンの脊柱管狭窄症をお伝えして、ご自身で改善できる方法を大阪府河内長野市の整体師が解説していきます。
前回の記事と合わせてお読みいただくとよりわかりやすいと思いますのでそちらもご参照ください。
脊柱管狭窄症、3つの型のそれぞれの特徴
脊柱管狭窄症の原因や診断方法、混同しやすい別の病気などについて、前回の記事で詳しくお話ししました。
記事の最後に、「脊柱管狭窄症は手術が必要か」という重要なテーマの導入としています。
脊柱管狭窄症には、腰の周りの神経根に異状があって、痛みを伴って発症する「神経根型」と、し痺れなどの感覚異状を伴う「馬尾型」、そしてその両方を発症する「混合型」があるとお伝えしています。
これらについて、もう少し詳しく解説していきましょう。
神経根型については、姿勢の偏りによって神経が圧迫されている。
または血流障害が起きて神経に血液が行き届かなくなっていることが原因である場合が多いです。
そのため、その点を改善させれば、痛みも自然と治っていくことが多いと言えます。
姿勢改善のトレーニングや、血管を強くする動作を繰り返すことで、手術をするまでもなく、痛みが取れていきます。
逆に馬尾型は、ドクターも「手術をしても感覚異状はなかなか治りませんよ」などと言ったりします。
私自身も、この患者さんは馬尾型の脊柱管狭窄症だと判断した際には、100%良くなりますとは言えておりません。混合型も同様です。
脊柱管狭窄症の手術・治療のゴールは
ただ、脊柱管狭窄症になった場合に最も厄介に感じるのは、足の痛みです。足が痛くていろんな不便や不安を覚えることが大きな問題となっています。
例えば、「足が痛くて友人と旅行に行けない」「家族と楽しく買い物に行きたいが、行くことができない」「ランチに誘われたけど痛みが不安だから断らなきゃならない」といったように、足に不安があるために生活の質が落ちてしまうのです。
病気になった、ケガをした、などとお体に異変が起きた際、その原因から取り除き、完治させてすっかり安心な状態に戻すのがもちろんベストであり理想です。
しかし、馬尾型または混合型の脊柱管狭窄症のように、完治させるのが難しい場合には、無理に完治を目指すのではなく、不便や不安の原因となっている部分に着目してアプローチするべきでしょう。
脊柱管狭窄症になった患者さんの一番の問題は「痛み」です。ですから治療家としては、完治するかどうかより、その痛みを取り除くことができるかどうかに集中するべきだと考えます。
足の裏に何かがへばりついたような感覚があるのは、やや不快感があるかもしれませんが、痛みに比べたら不便は少ないでしょう。
そこまでアプローチするかどうかは、患者さんが治療家やドクターと相談しながら決めていただきたいと思います。
私の個人的な考えとしては、「痛みがとれた」という段階に持っていくことが患者さんの問題を解決することだと捉えます。
そういった意味では、馬尾型であっても混合型であっても「治す」ことはある程度の見込みがあるという認識です。
自分で脊柱管狭窄症を治すための日常動作の改善
次に、脊柱管狭窄症になった場合の日常の過ごし方について解説します。
脊柱管狭窄症になっても、寝込んだり安静にしたりする必要はなく、痛みが悪化しない範囲で普段通り過ごしていただいて構いません。
また、日常にひと工夫加えることにより、ある程度のセルフケアをすることもできます。
脊柱管狭窄症の症状をやわらげるためにするべきことをピックアップしていきましょう。
一つ目は「歩くこと」です。
しかし、痛くて歩けないのであっても歩きましょう。歩かないでいると、さらに歩けない体になってしまいます。
歩く目的は筋肉の維持です。
脊柱管狭窄症になっているときは、神経の状態が普通ではなくなっていますが、それが改善されて元の状態に戻っていく際に、もし全然歩いていなくて筋肉が弱くなっていたら、発症する前より格段に歩けない体になるのです。
神経が戻ったときのことを考慮して、痛くても歩いておくことで筋肉を鍛えておきましょう。
また、神経に栄養を届ける血管が何らかの障害を受け、血流が途絶えてしまった場合、別の血流ルートを作ろうとします。
人間の体のすごい点ですね。例えば、やや重い脳梗塞を発症して、手が麻痺してしまったとします。
リハビリをすることで手の動きは徐々に取り戻していくことができます。
それは、脳梗塞で止められてしまった血流がまた流れたことで麻痺が改善されたのではなく、別のルートで血が流れるようになったためなのです。
人間の体ってすごいのですが、血流が滞ってしまったのをただやり過ごしていては、そのような機能は発揮されません。
使うことによって、血液の流れが必要だと体に認識させなければ、わざわざ血流の別ルートなんて作られないのです。
つまり、歩かずに過ごしていれば、体が「この体はもう歩かせなくていいんだ」と判断し、神経や血管が積極的に自ら良くなろうとする力を弱らせます。
ですから、痛くても歩くようにしてください。できたら40分は続けて歩き続けたいところです。
二つ目は「水を飲むこと」です。
腎臓の働きはご存知ですか?「おしっこを作り出すところ」というのはよく知られていますね。血液をろ過し、不要物をおしっこに変えます。
でもそれだけではなく、ほかにも大事な役割を担っています。腎臓には、血液中のカルシウム濃度を検知する働きがあります。
ですから腎臓と骨は深い関わりがあり、腎臓の働きが鈍くなると、骨の代謝も悪くなるのです。
脊柱管狭窄症の人は、痛みがあってもできるだけ歩いてほしいと申し上げました。元気に歩くためには、筋肉だけでなく骨も強くしてあげなくてはなりません。
骨の状態がよくなれば、脊柱管狭窄症もスムーズに改善させられます。だから、歩くことが必要な患者さんにとっては、骨のために腎臓を休めてあげることが大事なのです。
とはいっても腎臓の働きをストップさせることはできませんから、水を飲みます。水を飲むことで、血液がドロドロからサラサラになります。
ドロドロの血液とサラサラの血液、ろ過するのはどっちが楽でしょうか?考えるまでもなく、サラサラの方ですよね。
水をたくさん飲んで、血液をサラサラにしましょう。
「水はどれくらい飲んだらいいですか?」という質問をよくいただきます。
体重×30mlという式を覚えておきましょう。体重が50キロの人なら、50×30ml=1500ml、つまり1.5リットルとなります。
夏場は汗をかくのでもう少し増やしてもいいでしょう。
三つ目は食事です。お米を食べて、果物を減らしましょう。
脳が、体を動かす指令を出す際のエネルギー源なのです。
最近、お米を食べずに過ごす人が増えています。糖質制限ダイエットなども流行っていますね。
お米を食べなければ、必要なブドウ糖が補給されなくなります。
ブドウ糖が補給されなくなるとどうなるのかというと、脳が、筋肉や内臓など体の別の部位からエネルギーを得ようとするのです。
すると、筋肉や内臓が分解されてしまいます。筋肉が分解されてボロボロになれば、筋肉で支えられるべき骨も通常の状態ではなくなります。
骨のためにも、筋肉はいい状態にしておかなくてはなりません。
むやみに炭水化物をカットするのは、このように体に長期的に悪影響を及ぼしますから、きちんとお米を食べるようにしてください。
そして果物について。果物には「果糖」という糖がたくさん含まれています。食べたら、体はこの果糖を分解しなくてはなりません。
その際に必要な栄養素がカルシウムです。
カルシウムは骨にとって大事な栄養素なので、糖の分解のためにあまり消費したくはありません。
確かに果物には、ビタミンや食物繊維など、体に良い栄養素が多く含まれています。
ですからほどほどに召し上がるのは全く問題ありません。
バナナが消化にいいからといって2本3本と食べたり、冬にコタツの中でミカンを5個も食べたり、といった「食べすぎ」を避けていただきたいのです。
果糖の摂取量を減らしてカルシウムの無駄遣いを防ぐ、このことを意識してください。
脊柱管狭窄症のセルフケア方法はこの三つ、「歩く」「水を飲む」「お米を食べて果物を減らす」です。とても簡単ですよね。この簡単な三つのポイントをおさえるだけで、脊柱管狭窄症がだいぶ和らぎますので、痛くて困っているという方はぜひお試しください。
脊柱管狭窄症の人が絶対にやってはいけないこと
最後に、やってはいけない動作について解説します。
前回の記事でお伝えしましたように、脊柱管狭窄症の人は、歩く際に痛みが生じると、少し前かがみになって休憩を取ります。
これは、前かがみになることで痛みが楽になるためです。しばらく前かがみでじっとしていれば痛みはだいぶ緩和されます。
つまり、脊柱管狭窄症の人にとっては「前かがみになる」のは、楽で助かる動作なのです。
だから自転車に乗るのも床に座るのも、できないなんてことはあまりなく、普通にできてしまいます。だからこそ注意が必要です。
自転車に乗っているときは、サドルにお尻をつけますので、地面の凹凸などで衝撃があった際に尾骨にその衝撃がサドルから伝わります。
これが良くないのです。床に座るのも同様で、尾骨に体重が載ります。
人間の骨盤は、足から来る衝撃を受けられる構造になっており、尾骨から来る衝撃には対応していません。
ですから、尾骨の衝撃は骨盤で受け止めきれず、腰椎にまで影響します。腰椎には番号がついているのですが、特に4番5番の辺りに大きな衝撃が行きます。
そして、脊柱管狭窄症を発症している人の多くは、この4番5番付近に影響があることが多いのです。
このような理由がありますので、自転車に乗るのは避け、また床に直接座らずにイスを利用してください。
そしてもうひとつ、やっては行けない動作があります。それは「上体を後ろにそらす」です。
腰痛に効果的な動作として「マッケンジー体操」というものが、インターネットや書籍で紹介されることがあります。
マッケンジー体操とは、うつぶせに寝た状態から腕を立てて上体を起こし、いわゆる「アザラシのポーズ」をするものです。
マッケンジー体操が有名で良く紹介されるのは、効果があるからです。
確かに腰の状態によっては、マッケンジー体操がバッチリはまって改善させることもあります。
しかし、全員が全員そうはなりません。かえって腰の骨を圧潰、潰してしまうことにもなりかねません。
圧潰されれば脊柱管狭窄症の症状が悪化してしまいます。
マッケンジー体操を全否定しているのではありません。
マッケンジー体操をすることによって改善されるのが、それとも悪化するのか、それはご自身では判断できないと思いますので、必ず、判断できるドクターや治療家に相談をしてください。
自己流では決してやってはいけません。
最後に、絶対にやってはいけないのは「酒・たばこ」です。
たばこは血管を収縮させて血流を減らします。閉塞性動脈硬化症に繋がる可能性もあるのです。
実は、脊柱管狭窄症と閉塞性動脈硬化症の両方を併発している人も少なくありません。
すると、たばこを吸うことで余計に足がだるくなってしまいます。
お酒については、アルコールの影響で痛みが体に残りやすくなります。
脊柱管狭窄症自体は改善されたにも関わらず、痛みが脳内に残っていて何だかいつまでも不快感が抜けない、などと言った状態になると厄介ですので、それを避けるためにもアルコールは我慢してください。
普段からお酒とたばこが習慣になっている方は、両方を突然ゼロにするのは難しいと思いますので、まずは半分にしてみる、一日だけ休んでみる、といったように段階を踏んでみてください。
まとめ
脊柱管狭窄症と聞くと、「治りにくい」「手術が必要」などと深刻で厄介なイメージを持つと思います。
しかし、日常の動作の改善によって痛みを取り除いていくことは十分可能です。
もちろん、ならないに越したことはありませんが、なってしまっても悲観せず、あなたの毎日がそれによって制限されたものにならないことをまずは目指していきましょう。
脊柱管狭窄症といってもいろんな原因や対処法がありますから、自己流でストレッチなどを試したりすることなく、まずは専門家にご相談ください。大阪府河内長野市の整体院では多くの脊柱管狭窄症の患者さんに独自の施術とアドバイスをご提供しています。
まとめ動画
LINE登録も宜しくお願いします
お友達追加で、予約もお問合せも簡単にできます!