「ヘルニアが痛くて痛くて何もできないのですが、どうすればいいですか?」というご質問は少なくありません。
その際に私がお答えするのは、以下の2つのポイントです。
・早く治すための動き
・椅子の座り方
今回の記事では、この2点について大阪府河内長野市の整体師が詳しく解説致します。ヘルニアでお困りの方はぜひ実践してください。
contents
ヘルニアの痛みがひどくなる原因3つ
ヘルニアの症状の重さは人それぞれで、極端な話、全然痛みがなくてヘルニアになっていることにすら気付かない人もいれば、痛くて痛くて歩けない人もいます。
ヘルニアは自然治癒するため、放置したとしても特に問題はありません(もちろん、ヘルニアにならないように生活習慣の見直しはするべきですが)。
むしろ、手術せずに自然治癒を待つことができるのであれば、その方が良いと言えるでしょう。
しかし、痛みがひどくてどうしようもない場合には、日常生活もままならなくなります。立っても座っても痛い、歩くこともできない場合には、どのようにやり過ごせばいいのでしょうか。
何もできないくらい痛い、寝ていても痛い、という方には、主にこの三つの特徴のいずれかが見受けられることが多いです。
①脱出している
背骨はブロック状の骨が連なっていますね。その骨の隙間にあるのが、クッションの役目を果たす椎間板です。
椎間板が何らかの衝撃を受けて飛び出してしまった状態をヘルニアと言います。
ヘルニアの程度はいろいろで、ちょっとだけ出ている場合もあれば、完全に飛び出してしまっている場合もあります。
痛みがひどい人のヘルニアは、椎間板が完全に飛び出してしまっています。
神経の緩み具合・張り具合や、椎間板のある隙間が狭いか広いかなど、その人の体の特徴によっては、大して飛び出ていなくても、ちょっと出っ張っているだけでも強い痛みを感じることはあります。
たいていの場合は「ものすごく痛い=脱出している」が成り立ちます。
②ホルモンバランスが崩れている
更年期や妊娠・出産などにより、ホルモンの状態が変化することがあります。
人によってはその変化の度合いが大きく、体調にまで影響してしまいます。
ホルモンの重要な役目として、骨と骨を繋ぎとめる靭帯の動きを調整する働きがあります。
ホルモンバランスが崩れると、靭帯が緩みやすくなります。靭帯が緩めば骨が動きやすくなり、痛みを強くしてしまうことがあります。
ホルモンバランスの崩れは女性特有だと思われがちですが、男性でも起こり得ます。
「男性更年期」という言葉を聞いたことはありますか?
男性も女性と同じように、中高年に差し掛かった頃に妙にイライラしたり疲れやすくなったりすることがあるのです。
「男だからホルモン云々は関係ない」などと思わず、ご自身にもそのような可能性があることを覚えておいてくださいね。
③ダブルヘルニア
ヘルニアが起きるのは、何も一か所だけとは限りません。ダブルヘルニアと言って、二か所の椎間板が出てしまうこともあります。
これはかなり痛みが強く、動けないどころか、冷や汗をかき、あまりの痛さに叫んでしまうこともあるほどです。
ダブルヘルニアになる人は、そうなるべくしてなる場合が多いと言えます。
例えば腰に強く、また偏った負荷のかかる仕事をしている場合などが挙げられます。
体質的なことが関わる場合も少なくなく、そのような人はヘルニア予防のために常々気を付けておく必要があります。
ヘルニアの強い痛みをやわらげる方法
これらが単体、もしくは複合的に起きるとかなりの痛みを生じます。自然治癒するとは言っても、それまでどう過ごすのかが悩ましいところです。
ひどい痛みを伴うヘルニアの治療のためにご来院くださる方は、まず、真っすぐ立つことができません。
座っても、片方に身を大きく傾けていらっしゃいます。それほどまでになった場合は、これを実践してください。
①症状が出ている側を上にして寝ます
②上側の足を前方に曲げます
(これだけで、神経の引っ張りが緩和されて少し楽になるはずです。)
③その状態のまま、腰を氷で冷やします
(熱を取ることでヘルニアの炎症が早く収まります。また、血流量が正常に戻り、良い血が循環するので白血球の働きが増し、改善が早まります)
④「20~30分冷やして5分休む」を、できるだけ多く繰り返します
これが、最も痛みがひどいときの過ごし方です。
痛くて何もできないと思いますので、とにかく①~④を繰り返して、少しでも早く痛みが緩和され、症状が収まるように促しましょう。
ヘルニアの痛みが強いときの体の動かし方
次に、痛みが強いヘルニアから徐々に体を動かす、リハビリの方法を説明します。
基本は「末端から動かし始める」です。足の先でも手の指先でも構いません。動かしやすい方から少しずつ動かしてください。
末端から動かし始め、徐々に腰の動きに繋げていきます。
末端を動かすことに何の意味があるのかと感じるかもしれませんが、これは脳に「この体はちゃんと動くよ」という情報を与えるためです。
脳と体の動きに深い関わりがあることはご存知でしょう。
あまりに強い痛みを感じると、脳は「もしかしたらこの体は動かすことができないんじゃないか」と認識します。
その認識の影響で、本当に体が動かしづらくなってしまうことがあるのです。
そうならないように、どの部位でもいいから動かすことで、脳に対して「動かないなんてことは無いぞ」と証明してみせ、安心させるのです。
そうすれば、脳もポジティヴになり体が動きやすくなります。
痛みがひどい間も、ときどき四つん這いにはなりましょう。四つん這いは、ヘルニアの痛みをあまり感じずに済む姿勢です。
なぜ痛みを感じにくいかというと、神経の伸長が起きず、またお尻や足からの圧迫がないためです。
ずっと寝たきりでいるのではなく、四つん這いでトイレに行く、四つん這いで隣の部屋に行ってみる、などといったことをしてみてください。
よく、「トイレに行くときはどうすればいいですか」というご質問をいただくのですが、寝たきりにならないよう、ハイハイでトイレに向かいましょう。
四つん這いになったまま、前後に軽く体を動かすのも有効です。揺らすように動かすことで、肩関節と股関節が同時に動かされます。
すると、両者をつなぐ腰椎・脊椎が正常に動き、腰周りが自然と整います。
あまりの痛さに、動かすことが嫌だと感じることもあるでしょう。
また「こんなに痛いんだから動かしたら悪化するのではないか」と心配もなさると思います。
でも、繰り返しになりますが脳をポジティヴにするために動かすべきであり、動かさない方が体には良くないのです。
もちろん、痛いのを我慢しながら、悲鳴をあげながら無理やり動かす必要はありません。
しかし、全く動かさずにいると体全体が固まってしまい、それによる悪影響が随所に出てきます。
血流が悪くなるのはどんな症状に対しても望ましいことではありません。
ヘルニアの場合でも、ヘルニアの自然治癒は、白血球がヘルニアを異物とみなして食べることで進んでいきますから、できるだけ新鮮で良い血をどんどん流すように促すべきです。
体を温めれば血流が良くなることがありますが、後に詳しく述べます通り、ヘルニア自体は温めない方が良いです。
またお風呂に入るのも一苦労でしょうから、それより体を動かして血流を動かした方が合理的だと考えられます。
体を動かさないことで新たなコリを生み出すと、血流悪化につながりますから、そういう点でも体を少しずつ、こまめに動かしてください。
ヘルニアのときにやっていはいけないこと2つ
ヘルニアの際にやってはいけないことがいくつかあります。そのうちの一つが入浴です。
体に痛みがあるときは温めた方がいいような感じがしますが、そうではない場合も多いので、注意が必要です。ヘルニアは温めてはいけません。
お風呂に入ること自体、とても健康的なイメージがあります。
しかし、入浴は体を温める効果があるため、体に何らかの問題を抱えている人は、「自分の症状には入浴は善か悪か」を正しく見極める必要があります。
例えば、体のこりがひどい時には、筋肉を柔らかくしたり血流を促したりする入浴の効果を活用するのも一手と言えます。
また、片頭痛がひどくてこめかみが脈打っているときは、ますます痛くなる可能性があるため入浴は控えるべきです。
このような見極めは、専門的な知識を持っている人でないと難しいので、安易に自己判断せず、まずは治療院へご相談なさるのがいいでしょう。
もうひとつ、やってはいけないことは「むやみにブロック注射を打つこと」です。
ブロック注射を、週に何度もやってもらいに行く方がいます。
ブロック注射を打つことで痛みが軽減するならいいのですが、特に変化が感じられないのであれば、何度も打つものではないので中止してください。
何度も打つことにより組織が損傷しますので、悪化させてしまう可能性もあるのです。
ブロック注射も万能ではなく、ヘルニアの出方によっては全然効果がないこともあります。効果がないときは、何度やっても同じことです。
そもそも、治療効果のあるものではなく、痛みを軽減するために打つものです。
ブロック注射に頼っていてもヘルニアの根本的な解消が早まるわけではありません。
ヘルニアの痛みが強いときの座り方
今度は、痛みが強いときの座り方について解説します。
イスが選べるなら、腰や膝が直角になるタイプのイスを選んでください。
イメージは、小学校の教室で使っていたイスです。クッション性のあるフカフカなイスや、高くて膝が垂直にならないイスは避けましょう。
座り方は、少し浅目に腰かけて、膝は垂直に、腰は垂直より少しだけ前かがみになる姿勢を取ってください。
この座り方をすると骨盤が立ち上がり、腰への負荷が減少します。
前方にもたれることができるのであれば、しても構いませんが、背もたれに寄り掛かることはしないでください。
背もたれに寄り掛かると、骨盤が後方に傾いてしまいます。
痛みがひどいとそもそも背もたれには寄り掛かれないと思いますが、普段から、背もたれにやたらと寄り掛かる癖がある人は、ヘルニア予防のためにできるだけ改めた方が良いでしょう。
基本は「全て直角」です。ヘルニアのときもその基本に立ち返ります。
ヘルニアの痛みがひどいときには絶対にできない体勢ではありますが、横座りはしてはいけません。
ヘルニアになっている最中はもちろんのこと、ヘルニアにならないため、再発させないために、普段からやらないようにしてください。
また、あぐらをかくのも禁物です。
あぐらは左右対称に近い座り方なのでいいものだと思っている人がいますが、そうではありません。特にヘルニアのときはやめてください。
あぐらをかくと、尾骨が直接床に当たります。通常、尾骨や骨盤周辺には両足から圧力がかかり、その圧力を仙骨が受け止めて腰の方へ逃がします。
尾骨に直接力が加わることによって、背骨の下の方にかかる圧力が増します。
仙骨などのクッションがないため、圧力の逃げ道が失われて背骨に集中してしまうためです。
背骨が圧力を受けるということは、背骨の隙間にある椎間板に対する圧力が高まることになりますので、とにかくヘルニアにとって好ましくない状況であることはお分かりいただけるでしょう。
これと同じ理由で、体育座りも禁物です。これも、尾骨が直接床に当たります。
余談ですが、側弯症の子供が数十年前より増えています。以前は100人中3人程度だったのに対し、今は6~7人いるとされています。
その原因の一つが、学校で子供に体育座りをさせていることではないかと考えられます。
体育座りをすることで、背骨に圧力がかかります。圧力の逃げ場がないため、背骨を左右に傾かせることで吸収させてしまうと、側弯症に繋がります。
お子さんを側弯症にさせないためには、あぐらや体育座りをさせないようにしましょう。
正しい知識を身に付けるために専門家の意見を聞きましょう
ヘルニアは自然と治るものです。
ですから、手術をしなくてはならないのではないかと心配したり、すぐに手術をしようと焦ったりする必要は全くありません。
ご自宅でしっかり療養し、治療院に行って体を整えてもらい、ヘルニアになっている部分に対する負荷を減らす体作りをしましょう。
決して、自己流でストレッチをしたり、安易な判断で温めたり捻ったりといったことをしてはいけません。
ヘルニアは普段の生活環境や姿勢が影響して起こるものです。気を付けていれば発症する可能性をおさえることができますし、再発も防ぐことができます。
大阪府河内長野市の整体院では、インナーマッスルマッサージと筋膜リリースを組み合わせた独自の整体でヘルニアが再発しにく体にサポートしていきます。
まとめ動画
内容をまとめた動画となります。
LINE登録も宜しくお願いします
お友達追加で、予約もお問合せも簡単にできます!