河内長野の整体なら「Sorrisoあまほり整体院」
今回は、皆様から頻繁に寄せられるご質問、「骨盤を矯正する椅子って、本当に意味があるの?」という疑問について、専門家の観点から詳しく解説していきます
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姿勢矯正椅子の効果を理解するための基礎知識:関節の安定化のメカニズム

椅子の上に載せて使うタイプの姿勢矯正椅子は、「座るだけで姿勢が良くなる」と謳われていますが、その効果を理解するには、まず人間の体の関節がどのように安定しているかを知る必要があります。
 
1、ブリッジ活動と関節の構造
人間の関節は「ブリッジ活動」と呼ばれる構造で安定していることが多いです。これは、橋を建設する際に柱を立てて間を繋ぐ構造に似ています
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関節が不安定になる条件としては、橋の足が広がりすぎたり(グラグラする)、中央の物体が重くなったり、片側だけがずれたりすることなどが挙げられます
 
例えば、腰の仙腸関節(骨盤の関節)や肩関節などは、垂直方向から押し付けられて安定を保つ「垂直関節」に近い構造を持っています
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2、仙腸関節を安定させる「内腹斜筋」の役割
骨盤の関節(仙腸関節)は、単に押し付けられているだけでなく、お腹周りの筋肉である「内腹斜筋」によって、紐で結びつけるようにグッと締めつけられることで、より安定性を高めています
 
仙腸関節には、下肢からの力と腰からの力がぶつかり合うことで、「剪断力」(ずれる力)が発生します。内腹斜筋は、この剪断力を防ぐために締めつける役割を担っています
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この力が弱すぎると関節は簡単にずれてしまい、立ち続けたり、動き出す際に痛みを引き起こす原因となることが多いのです

内腹斜筋の活動と姿勢の関係

内腹斜筋が最も力を発揮するのは、歩行中の「立脚中期」(片足立ちになる一瞬)です。この瞬間に腰や膝、股関節に痛みが出る方は、内腹斜筋の機能が低下している可能性が非常に高いです
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座位における内腹斜筋の活動
体重がかかると内腹斜筋は活動するように体はできていますが、座り方が非常に重要です
 
1. 良い座り方(内腹斜筋が働く) 座面に対し、座骨(お尻の骨)で体重を受ける姿勢(仙骨を立てる、骨盤前傾に近い状態)です
座骨に体重がかかると仙腸関節に剪断力が働き、その結果、内腹斜筋がグッと締めつけて活動を強めます。姿勢矯正椅子が目指すのは、この「座骨に加重がかかる状態」を作り出すことです
 
2. 悪い座り方(内腹斜筋が働きにくい) 座骨ではなく尾骨(尻尾の骨)に体重が乗る姿勢(過剰な後傾姿勢)です。この状態では剪断力ではなく、突き上げるような力が加わり、これは自転車に乗っている状況と同じです。自転車に乗っていると、仙腸関節への剪断力は少ない代わりに、腰椎への負担が非常に多くなるため、椎間板の損傷や腰骨の弱化につながることがあります
尾骨に体重が乗る状態では、内腹斜筋があまり力を発揮しなくなるため、体幹のバランスが悪化します
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したがって、骨盤を立てる椅子(仙骨を立てる椅子)は、座骨に正しく加重させ、内腹斜筋を活動させる手助けをするため、ほとんどの皆様に使用をおすすめできます

大殿筋の重要性と過度な姿勢の問題

骨盤の安定には、内腹斜筋だけでなく、お尻の筋肉である大殿筋も関与します
立ち上がろうとする瞬間など、骨盤を前傾させ、お尻を地面に押し付ける力が必要な時に大殿筋が働きます
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大殿筋が収縮すると、仙腸関節をしっかりと近づけ、安定させてくれます
立ち上がり時に腰が痛む方は、大殿筋の低下が見られることが多いです
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過剰な姿勢によるリスク

ただし、姿勢矯正椅子を使う上で注意が必要です。過剰な前傾や後傾は、別の問題を引き起こします
 
1. 過剰な後傾(後ろに倒れすぎ) 腰の最下部(L5)と仙骨(S1)の隙間が削られ、その部分ばかりで動かそうとする結果、L5/S1の脊柱管狭窄症を引き起こす可能性が高まります
 
2. 過剰な前傾(前に傾きすぎ) 腰の4番目と5番目の椎間板(L4/L5)に大きな負担がかかり、椎間板ヘルニアや、椎間板が傷つく重度のぎっくり腰を繰り返すことにつながります
最終的にL4/L5の脊柱管狭窄症を引き起こす可能性もあります
 
注意点:姿勢矯正椅子は、後傾タイプの方(尾骨座りになりやすい方)には非常に有効ですが、元々骨盤が前傾しすぎているタイプの方が使用すると、さらに前傾を強めてしまい、かえって負担を増やしてしまう可能性があるため、使用は避けるべきです
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まとめと体幹を安定させるトレーニング

姿勢を矯正する椅子は、多くの方の内腹斜筋の活動を助け、姿勢を安定させるのに役立ちますが、椅子に頼るだけでなく、内腹斜筋と大殿筋を日常的に活動させることが最も重要です
 
痛みで悩んでいる方は、ぜひ以下のトレーニングを取り入れてみてください
 
1. プランク:床に肘と足をついて、体を水平に保つ体幹トレーニングです
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2. お尻を持ち上げるトレーニング:仰向けに寝て、お尻をグッと持ち上げるトレーニングです
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これらを毎日1分間継続することで、体幹が安定し、長く立っていると出る腰の痛みや、動き出しの痛みが取れていくことが期待できます
 
また、ご自宅で簡単にできる片足立ちテスト(目を閉じて片足を90度まで上げる)を試していただき、グラグラする場合は内腹斜筋の機能が低下している可能性があります
このテストを30回行うことも、トレーニングの一環となります

最後に

他にも世の中には様々な健康器具がでており、そのほとんどが一般的な方に合わせた商品となっています。

もし、色々試しても良くなっていかないのであれば、あなたには合っていないのかもしれません。

その場合は無理をして継続せず、お気軽に相談ください。

最後までお読みになっていただきありがとうございました。

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