病院に行くと、「ひどくなったら手術。」「手術しかない。」
と言われたけど、悩んでいます。
知り合いに聞くと、良くなった人もいれば、良くなっていない人もいるので
迷っています。
今回は実際にこれらの質問をいただいた際にお答えしていることを記事にしました。
なぜ手術をするのか?
整体院に来られる手術を検討されている患者様は、腰、膝、股関節といった整形外科領域の問題が該当します。
手術の目的は、隙間の狭くなった骨を削ることで広げたり、ズレてしまった骨をボルトで固定したり、変形してしまった関節を人工関節に取り換えたりする構造的破綻の再形成・修復が目的となります。
逆に言うと、構造的破綻が見られなければ、炎症を抑えたり、緊張を緩和させたり、生活習慣を見直すなどの保存療法を選択することになります。
他の選択肢は?
レントゲンやMRIでの画像検査の結果、構造的破綻が見られても、保存療法で改善することは多々あります。
感覚値としては7〜8割は保存療法で改善すると思います。
理由は、脊柱管が狭くなっていたり、骨が変形していても、痛みや痺れが出ている原因が違うことが多いからです。
本来、骨が変形していくことは、年齢を重ねれば当たり前のことですし、65歳以上の方にレントゲンをとると90%の方が変形していることも論文で紹介されています。
しかし、その人たち全員が痛みや痺れを出している訳ではなく、一部の人が症状を出しているだけなので、構造的破綻=痛みの原因と決めてしまうのは時期尚早なのです。
まずは保存療法や生活習慣の改善を試みて、それから手術を選択肢に入れる方が良いです。
手術した方がいい人、しない方がいい人
私が患者様に質問されて、手術をした方がいいと判断する方は、
1、保存療法にて改善が見られない。
2、手術後に復帰できる筋力を保持している。
3、他の疾患や問題を除外できる。
の3つの条件が重なっている方になります。
1の保存療法は3ヶ月ほど行って、少しも改善されない場合や、頭打ちになっている場合です。
2の筋力については、手術するタイミングがもうどうしようもなくなって、歩くのもできない状態になってからになると、筋力もそうとう低下しており、手術で構造的破綻が改善されても、体を動かす筋肉がないと日常復帰の困難や別部位への負担が増えて再発することにつながります。
3の他の疾患や問題は、例えば脊柱管狭窄症で足が痺れていると判断されても、実際は動脈硬化の進行など血流の問題で痺れていることもあります。
その場合は、手術よりも血糖値を下げる食事療法や生活習慣を改善することが大事になりますので、手術はしない方がいいことになります。
手術前後に必要なこと
①手術するタイミングを決める。
仕事を休める段取りをつけたり、ご家族の介護があって入院できないなど、自分にとってベストなタイミングがあると思います。
大切なのは、そのタイミングを自分で決められる段階で手術を決断することです。
もうどうしようもなくなって手術を選択すると後に問題が出てくることが多いです。
②術前リハビリを行う。
リハビリというと手術後に行うイメージですが、手術に備えて、筋力、体力を強化しておくと手術後の経過がスムーズにいきます。
可能であれば術前リハビリを教えてくれる医療機関で、手術前からリハビリを行っておくのが良いと思います。
③手術後リハビリを行う。
リハビリの目的を日常生活復帰だけでなく、症状が出た原因まで改善するまで含めることをお勧めします。
手術して終わりではなく、また日常生活が待っていますので、原因を改善しておかないと再発する可能性が出てきます。
お気軽にご相談ください
とは言っても、やはりお一人お一人の状態や状況を知って、アドバイスさせていただくのが良いと思いますので、もし手術をするかどうかでお悩みの方は、ぜひご相談ください。
あなたの想いを受け止めた上で、最善のアドバイスをさせていただきます。