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神経発達症(発達障害)

 

その痛み・痺れは

神経発達症(発達障害)
二次障害が原因かも

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はじめに  あなたの痛みの「本当の原因」はどこにある?

整骨院や病院で治療を受けているのに、なかなか痛みが取れない——そんな経験はありませんか? 

「腰を痛めやすい」「膝が慢性的に痛い」「坐骨神経痛が再発してしまう」といったお悩みの背景に、実は脳の発達特性、いわゆる神経発達症(発達障害)が影響していることがあります。

以下のような状況に心当たりはないでしょうか?

☑ 荷物を持ち上げる作業で、気づくと腰を痛めていることが多い

☑ バドミントンや運動を始めると、膝や体に痛みが出てしまう

☑ 「運動しよう!」と思い立っても、坐骨神経痛が出て続けられない

☑ レントゲンを撮ると側弯症と言われた

これらは一見「体の問題」のように見えますが、実はそれぞれ神経発達症(発達障害)の特性と深く関係しています。

腰を痛めやすい

体性感覚が鈍く、体に負担のかかる動きをしていても気づけないため

膝が痛くなる

自分で決定するのが苦手で、誘われたら断れずすべての活動に参加してしまうため

坐骨神経痛が再発

自分の体の状態を把握する力が弱く、衝動的に激しい運動を始めてしまうため

側弯症がある

味覚・触覚の過敏による偏食が続き、長期間にわたり栄養状態が良くなかったため

基本概念  3ピースデザイン——「佳い人生」を支える3つの柱

当院では、患者様の状態を「3つのピース」で捉える独自のフレームワーク「3ピースデザイン」をもとに支援を行っています。

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状 態

状 況

考え方

・患部・骨格特性

・基本動作

・基礎疾患・病歴

・食事・睡眠・休養

・運動・家族・仕事

・コミュニティ

・過去・現在・未来の捉え方

・IQ・EQ・価値観

・発達特性 

重要な視点:状態と状況は、どちらも「考え方」という土台の上に成り立っています。そして神経発達症(発達障害)は、この考え方を含むすべてのピースに影響を与えます。

第1章  神経発達症(発達障害)とは?

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1-1 神経発達症(発達障害)の基本的な理解

神経発達症(発達障害)とは、脳の発達に偏りがあることで、得意・不得意の凸凹が定型発達の人に比べて大きく、日常生活や社会生活に「生きづらさ」が生じる状態です。 

重要なポイントとして、幼少期には「個性的な子」「ちょっと変わった子」として見過ごされることも多く、大人になって社会生活を送るなかで初めて困難に直面し、診断に至るケースも少なくありません。また、才能として活躍している人もいれば、障害として強く困っている人もいるなど、その現れ方には大きな個人差があります。

1-2 神経発達症(発達障害)の主な種類

神経発達症(発達障害)は主に以下の3種類に分類されますが、複数の特性が重なり合うことも多くあります。 

  • ASD(自閉症スペクトラム障害)
  • ADHD(注意欠如・多動症)
  • SLD(限局性学習障害) 

1-3 ASD(自閉症スペクトラム)の特性

ASDの特性は大きく「コミュニケーションの困難」「こだわりの強さ」「感覚過敏」の3つに分けられます。

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① コミュニケーションが苦手

ASDの方は、言葉の裏にある意図や表情・雰囲気などの非言語情報を読み取ることが難しく、周囲から「何を考えているのかわからない」「空気を読めない」と誤解されやすい特徴があります。

 

  • 人との関わり方がわからず、目を合わせたり会話のキャッチボールが苦手
  • 自分の気持ちや考えを言葉にして表現するのが難しい
  • 冗談や比喩を言葉通りに受け取ってしまう(「猫の手も借りたい」を本当に思う)
  • 相手の感情や状況を的確に読めない(空気を読めないと言われやすい)
  • ウソがつけないほど正直(相手を傷つけることも)
  • 経験したことのないことを想像するのが苦手
  • 曖昧な指示や「なんとなく」の意思疎通が難しい

 

② こだわりが強い

特定の物事や手順に強い執着があり、変化や予定外の出来事への対応が難しいことがあります。

 

  • 興味・関心が特定の分野に集中しやすく、そのテーマになると止まらない
  • ルーティン作業は得意だが、突発的な仕事の変更が苦手
  • 規則やルールに厳格にこだわる(融通が利かないと言われることも)
  • 一つのことに過集中する(食事・睡眠を忘れるほど没頭することも)
  • 自分では決定を下すのが苦手(どうしたらいいかわからなくなる)

 

③ 感覚過敏

感覚の「ボリューム調整」がうまくいかないため、一般の人が気にならない刺激にも強い反応を示すことがあります。

 

  • 光・音・匂いなどに対して過敏に反応する
  • 触覚が過敏で特定の素材の衣服が着られない、他者からのスキンシップが苦痛
  • 痛みに対して敏感(または逆に感じにくい)
  • ストレスが消化器系に出やすい(下痢・腹痛・過敏性腸症候群など)
  • アトピーや肌荒れが繰り返す

 

ASDの長所

ASDの特性は困難をもたらす一方で、非常に優れた力を発揮する面もあります。

 

  • 単調な作業を粘り強くやり遂げる
  • 記憶力・博識・専門知識に優れる
  • 論理的・筋道立てた思考が得意
  • 正直で正義感が強く、ルールを守る
  • 数学・音楽・美術などの特定分野で卓越した才能を発揮する人もいる

 

1-4 ADHD(注意欠如・多動症)の特性

ADHDの特性は「多動性・衝動性」と「不注意」の2軸で理解されます。 

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① 多動性・衝動性

「今すぐ」という衝動を抑えることが難しく、じっとしていたり、順番を待ったりすることが苦手です。

 

  • 落ち着きがなく、じっとしていられない(体を常に動かしている)
  • 相手の話を最後まで聞けず、つい口をはさんでしまう
  • 感情の起伏が激しく、すぐにカッとなりやすい
  • 衝動買い・仕事の過剰引き受けなど、あとを考えない行動が多い
  • 「一夜漬け」「追い込まれないと動けない」ことが子供のころから続いている

 

② 不注意

集中力を持続させることや、情報を整理して行動することが難しいことがあります。

 

  • 一つのことに集中し続けるのが難しく、別のことに気が散りやすい
  • 時間感覚が不安定で、スケジュール管理・時間の見積もりが苦手
  • 忘れ物・なくし物・約束を忘れるなどが頻繁に起こる
  • 整理整頓が苦手で、デスクや部屋が散らかりやすい
  • 面と向かって話しかけられているのに「聞いていない」ように見える
  • 細かい数字のミスや、同じことの繰り返しが苦手

 

ADHDの長所

ADHDの特性も、環境や場面によっては大きな強みになります。

 

  • 先入観にとらわれない柔軟な発想・豊富なアイデア・直感力
  • コミュニケーション積極性・社交性・ユーモアがある
  • フットワークが軽く、新しい環境への適応が早い
  • 頭の回転が速く、素早い判断と反応ができる
  • 感受性が豊かで、人の気持ちに寄り添える

 

1-5 ASDとADHDの違いを知ろう

ASDとADHDは症状が重なることも多いですが、根本的なメカニズムが異なります。代表的な場面での違いを比較します。

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場面

ASD

ADHD

コミュニケーションが下手

相手の気持ちが読めないため、場にそぐわない発言をしてしまう

相手の話を聞けなかったり、衝動的に口をはさんだりしてしまう

仕事が終わらない

細部にこだわりすぎて時間内に終わらない(完璧主義)

優先順位が決められず、やるべきことを後回しにして終わらない

 

1-6 SLD(限局性学習障害)について

SLDは知的発達には問題がないものの、読む・書く・計算するなど特定の学習に著しい困難が生じる障害です。

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  • 読字障害:文字を正確に読んだり、流暢に音読したりすることが難しい
  • 書字障害:文字を正確に書くことが難しい(誤字・字が崩れるなど)
  • 算数障害:数の概念・計算・算数的推論が著しく困難

 

「生きづらさ」を緩和する3つのポイント:①自分の特性を知る ②認知の歪みへの気づきと修正 ③自分に合った対処法を身につける

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第2章  対人関係への影響

神経発達症(発達障害)の特性は、日々の人間関係にさまざまな形で影響します。「なぜか人間関係がうまくいかない」と感じている方の多くが、以下のような困難を経験しています。

2-1 報連相が苦手

ASDは明確なルールがないと行動できないため、自発的な報告を忘れてしまいます。ADHDは情報を整理して伝えるのが苦手で、報告のタイミングを逃したり、忘れたりします。

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対処・解決のヒント

・伝え方のフォーマット(型)を事前に決めておく

・早め早めに報連相を行う習慣をつける

・「今ご報告してもよいですか?」と都度確認する

 

2-2 相手を怒らせてしまう

ASDは感じたことをそのまま言葉にしてしまい、意図せず相手を傷つけることがあります。また視線が合わないことで誤解されることも。ADHDは衝動的に話を遮ったり、余計な一言を言ってしまいます。

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対処・解決のヒント

・口に出す前に一旦時間を置いて考える習慣をつける

・第三者(信頼できる人)に話してもらい、内容を確認してもらう

・話し方・態度を意識的に練習する

 

2-3 相手との距離感がわからない

ASDは冗談を真に受けて相手を傷つけたり、距離を縮めようとしている相手を突き放してしまうことがあります。ADHDは逆に急激に相手に近づきすぎて、引かれてしまうことも。

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対処・解決のヒント

・関係性の深さに応じた自己開示を意識する(浅い関係には浅い話)

・言葉を全て字義通りに受け取らず、文脈を考える練習をする

・物理的な距離の目安を数値で決めておく(例:初対面は1m以上)

 

2-4 相手の言葉を理解しづらい

聞いたことをすぐに理解・記憶できず、わかったふりで返事をして自己判断で動いてしまい、ミスをして叱責される——という悪循環に陥りやすい。

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対処・解決のヒント

・許可を得て録音・メモをとる

・曖昧な内容は「つまり〇〇ということですか?」と具体的に確認する

・聞き取れなかった時は遠慮なく「もう一度おっしゃっていただけますか」と伝える

 

2-5 仕事や誘いを断れない

自分の仕事量を把握できないうちに「大丈夫です」と返事してしまったり、嫌な顔をされるのが怖くて断れず、限界まで引き受けてしまいます。

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対処・解決のヒント

・まず「少し確認させてください」と保留にする

・疲れているときは「体調が優れないので」と正直に断る

・「今回は難しいですが次回お願いします」とはっきり伝える練習をする

 

第3章  日常生活への影響

神経発達症(発達障害)の特性は、仕事だけでなく毎日の生活のあらゆる場面に影響します。「なぜこんなに生活がしんどいのか」という疑問の答えがここにあるかもしれません。

3-1 なかなか起きられない

衝動性や過集中により夜更かしが習慣化しやすく、また体内時計が乱れやすい特性もあります。朝に強い眠気・だるさを感じる方が多いです。

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対処・解決のヒント

・起きる時間を毎日一定にし、逆算して就寝時間を決める

・家族やパートナーに声かけをお願いする

・どうしても難しい場合は薬の力を借りることも選択肢

 

3-2 身支度に時間がかかる

時間感覚の弱さに加え、今やらなくてもいいことを衝動的に始めてしまうため、出かける時間が迫ってから慌てるパターンになりやすい。

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対処・解決のヒント

・朝の支度の順序をルーティン化して紙に貼っておく

・前夜のうちに出かけられる状態(バッグの準備・服の準備)を済ませる

・歯磨きや着替えに何分かかるか実際に測って把握する

 

3-3 物を忘れる・なくす

ADHDの傾向が強い人に多く見られます。物を置いた瞬間にはすでに別のことに意識が向いているため、どこに置いたか記憶されません。

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対処・解決のヒント

・「置く場所を一か所に絞る」ルールを作る(鍵はここ、財布はここ)

・GPSタグ(AirTagなど)を貴重品につける

・外出中は物をカバンや体から離さない習慣をつける

 

3-4 衝動買いなどお金の管理が苦手

「今ほしい」という衝動を抑えることが難しく、計画的な貯蓄やお金の管理が苦手です。リスクの高い行動を好む傾向もあります(「一夜漬け」「ギリギリにならないとできない」など)。

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対処・解決のヒント

・「買う」ことへのブレーキを増やす(一晩置いてから決める、リストに入れる)

・使えるお金を強制的に制限する(別口座に移す、先取り貯蓄)

・支払いを現金のみにすることで衝動を抑える

 

3-5 音や光に敏感で疲れやすい

一般の人には気にならない騒音や照明、人混みの気配なども、強いストレスや疲労の原因になります。見た目には「普通」でも、内側では相当なエネルギーを使っています。

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対処・解決のヒント

・耳栓やノイズキャンセリングイヤホンを活用する

・サングラスや眩しさを軽減するレンズを使う

・コットン素材など肌触りの良い素材を選ぶ

・マスクで顔周りの感覚刺激を減らす

 

3-6 スマホやゲームにのめり込む

ADHDの「今したい」という衝動が強く、スマホ・ゲーム・アルコールなどへの依存傾向があります。過集中・時間感覚の弱さ・体調変化への鈍さが重なり、気づけば食事や睡眠を忘れて没頭することも。

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対処・解決のヒント

・夜間はスマホを別の部屋に置くなど物理的に遠ざける

・運動や対面での会話など、リアルなつながりの時間を意識的に作る

 

3-7 女性の神経発達症(発達障害)について

女性の神経発達症(発達障害)は発見されにくい傾向があります。男性と比較して衝動性が目立ちにくく、ASDの場合は「大人しい子」として見過ごされることも多いです。

 

  • 「女性なのに〇〇」と責められる場面が多い(妻・母・嫁などの役割期待)
  • 月経の前後は特性が顕在化しやすく、心身の不調が重なりやすい
  • 長年「自分がおかしい」と思い込み、自己否定感が高くなりやすい

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第4章  仕事への影響

職場での困難は、神経発達症(発達障害)の特性がもっとも表面化しやすい場面の一つです。「なぜ自分だけうまくできないのか」と悩んでいる方へ、その背景にある理由と対策を解説します。

4-1 後回しにしてしまう

ADHDの苦手な「コツコツと地道な積み重ね」。やる気スイッチがなかなか入らず、締め切りギリギリまで動けないことが多いです。

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対処・解決のヒント

・考える前にとりあえず手を動かす(1分だけやってみる)

・締め切りを視覚的に見えるカレンダーや付箋で見える化する

・「やらなかった場合のリスク」を具体的に想像する癖をつける

 

4-2 優先順位がわからない

実行機能の障害と時間感覚の問題が重なり、「何を先にやるか」が判断できず、他者と協力してプロジェクトを進めることも難しくなります。

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対処・解決のヒント

・ToDoリストで今日やることを書き出し、目で見えるようにする

・付箋やマインドマップで整理してから動く

・「これとこれ、どちらを先にすればよいですか?」と確認するクセをつける

 

4-3 仕事に集中できない

ADHDは関心が移りやすく多動性がある。ASDは興味のないことや感覚過敏によって集中できない。どちらも結果的に仕事が進まなくなります。

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対処・解決のヒント

・苦手な作業に集中できる時間(自分の限界)を事前に把握しておく

・集中を妨げる環境要因(騒音・人の動き)を取り除く工夫をする

・普段から適度に体を動かし、脳の覚醒レベルを整えておく

 

4-4 完璧を求めて締め切りに遅れる

こだわりが強く細部が気になりすぎて時間がかかる。または細かいことを見すぎて大事なポイントを見逃す。

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対処・解決のヒント

・「100点より70点の完成を目指す」意識を持つ

・上司や先輩に「どこが最も重要か」を事前に確認する

・時間で区切る(例:2時間経ったら終了と決める)

 

4-5 会議や打ち合わせが苦手

ワーキングメモリが弱く、資料を見ながら話を聞くなどの同時処理が難しい。複数人が話すとついていけず、じっとしていること自体もストレスになります。

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対処・解決のヒント

・タブレットや音声メモなどデジタル機器で記録の負担を減らす

・自分の発言内容は事前にメモして準備しておく

・見えないところで足を動かすなど、多動を小さく発散させる

第5章  二次障害とは?——身体症状との深いつながり

5-1 二次障害の定義

神経発達症(発達障害)の特性によって引き起こされた行動や生活習慣が、疾患の直接的な原因になっているものを「二次障害」と呼びます。精神的な問題(うつ・不安障害など)だけでなく、身体的な疾患(腰痛・膝の痛み・自己免疫疾患など)も含まれます。

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5-2 二次障害につながる主な要因

 

体の使い方の問題

体性感覚が鈍く、体への負担に気づけないまま同じ動作を繰り返す

やりすぎ・やらなすぎ

衝動的に激しい運動を始めたり、反対に全く動かない時期が続いたりする

過敏によるストレス

常に感覚過敏のストレスにさらされ、慢性的な疲労・免疫低下につながる

自己嫌悪の悪循環

失敗→叱責→自己否定→落ち込み→さらに失敗という悪循環が続く

生活習慣の乱れ

睡眠・食事・運動のバランスが長期間にわたって崩れ続ける

 

5-3 ケーススタディ:56歳女性・膝の痛み

神経発達症(発達障害)の二次障害がどのように身体症状に至るかを、実際の流れに沿って詳しく見ていきます。

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生育歴・社会生活の歩み

子供の頃は活発で、誰とでも明るく話せる女の子でした。しかし小学校高学年頃から周囲の女の子グループに無視されるようになり、次第に引っ込み思案になっていきます。中学・高校でも部活動に入らず、話しかけてくれるクラスメイトと学校で過ごすだけの日々を送りました。

 

大学卒業後は建設会社の事務職に就職しましたが、仕事がなかなか覚えられず、ミスが続出。最初は優しくしてくれていた同僚・上司も次第に距離を置くようになり、小学校時代の疎外感がよみがえり2か月で退職します。

 

その後、営業職に転職。最初の訪問では相手先に可愛がられるものの、2回・3回と重なるうちに「担当を変えてほしい」と言われるようになる——本人は「親しく話してくれているはずなのに」とその理由がまったくわかりません。

 

転職を繰り返し、30代半ばには深夜のアルバイト先で出会った男性と子供ができて結婚。しかし夫は家事に無関心で実家に入り浸るようになり、育児と家事と仕事を一人で抱える生活が続きます。2人目の子供が生まれてからは書類の申請を忘れ、保育園の行事を忘れ、生活はズタボロに。限界を迎えて離婚を決意します。

 

その後、偶然働き始めた洋食屋のオーナーが理解のある人で、ミスや遅刻を大目に見てくれ、お皿割りの仕事は外してもらい、オーダーを2回確認できるシートも作ってもらいます。「30秒ほどの接客会話」がちょうど心地よく、初めてやりがいを感じる職場に巡り合います。

 

しかし40代後半から膝が痛み始め、病院では水が溜まっていると診断。毎週、痛み止めと水を抜く注射を繰り返します。睡眠も食事も十分に取れないまま、何もしていないのに涙が止まらなくなり、精神科受診でうつ病と診断されます。

 

この事例でのキーワード(発達特性のサイン)

 

誰にでも明るく話せる(距離感の調整が難しい)

特にしたいこともなく(将来への見通しを立てるのが苦手)

仕事が覚えられず、ミスを連発(ワーキングメモリの弱さ)

2回・3回と会うごとに担当変更を求められる(非言語コミュニケーションの難しさ)

親しく話してくれているように感じるのにその理由がわからない(相手の真意を読みにくい)

声をかけてもらって付き合う(自分から決定を下すのが苦手)

家のことは全く無関心で実家に帰る(夫もASDの可能性)

書類申請や保育園の行事を忘れる(不注意の問題)

30秒くらいの接客会話がちょうど良かった(深い関係性の維持の困難さ)

 

一般的な医療の流れとその限界

変形性膝関節症の診断→水を抜く・痛み止め→一時的に回復→同じ生活→痛みが再発——このサイクルが繰り返され、60代になると変形が進行し手術へ。手術で痛みが取れても生活が変わらなければ今度は腰や股関節が痛み始めます。

 

根本的な問題はどこにある?

痛み止めで誤魔化したり、水を抜いて対処したりするのは、あくまで対症療法です。根本には「ADHDの特性に合わせた生活の工夫と支援」が必要です。それにより食事・休養・運動のバランスが整い、改善へとつながります。

 第6章  神経発達症(発達障害)の治療と支援

6-1 治療の目標

神経発達症(発達障害)の治療は、「特性をなくすこと」を目指すものではありません。目指すのは、

 

  • 特性を理解した上で、社会に適応し生きづらさを軽減すること
  • 自分の特性を強みとして活かして活動できること

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6-2 医療機関で受けられる治療

 

心理社会的治療

  • 特性理解(自分の特性を知り、受け入れ、対策を立てる)
  • 認知行動療法(考え方のクセに気づき、修正する)
  • SST(ソーシャルスキル・トレーニング):対人スキルを具体的に練習する

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薬物療法

ADHDに対しては以下の薬が有効とされています。

 

  • コンサータ(メチルフェニデート)
  • ストラテラ(アトモキセチン)
  • インチュニブ(グアンファシン)

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6-3 当院での取り組み

問診票・問診・骨格検査・動作分析・療育指導の精度などを通じて、患者様の根本原因を多角的に推測します。その原因が改善できるものか、継続フォローが必要なものかを判断し、施術に加えて以下を組み合わせて支援します。

 

  • カウンセリング(気持ちを整理し、自己理解を深める)
  • コーチング(目標設定と行動化のサポート)
  • コンサルティング(生活や仕事の課題への具体的なアドバイス)
  • ティーチング(正しい知識・スキルを教える)
  • トレーニング(実践的な身体・行動トレーニング)
  • メンタリング(長期的な成長と自立を支える伴走)

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6-4 施術以外のプログラム

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  • スケジュールを作成する講座(時間管理を習得する)
  • 30日間運動動画(継続しやすい運動習慣の形成)
  • ソフトヨガティス(体への負荷を最小限にした運動)
  • 自分の取り扱い説明書講座(特性・体質を理解し、自己管理を目指す講座)
  • パーソナルトレーニング(個別の体の課題に合わせた運動指導)

まとめ  3ピースデザインで「佳い人生」へ

スクリーンショット 2026-05-05 7.33.06神経発達症(発達障害)の特性は、体の痛み・痺れ・メンタルの問題・人間関係・仕事・日常生活など、人生のあらゆる側面に影響を与えます。

 

しかし最も大切なことは、これらの困難は「その人のせい」ではなく、「脳の特性による」ということです。正しく理解し、環境と行動を整えることで、生きやすさは確実に高まります。

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ご不明な点やご相談は、いつでもお気軽に当院へお声がけください。

 

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