「頭痛へのアプローチ」
頭痛には様々な原因がありますので「これをやれば大丈夫」と言い切れるものではないのですが、一つ言えることは、肩甲挙筋という筋肉に着目すると良い、ということです。
肩甲挙筋は肩甲骨と頸椎の辺りにある筋肉で、肩甲骨をあげたり、頸椎を回旋させたりするときに使います。また、呼吸に関する動きも担っています。
肩掛けカバンをずっと一方の肩に掛けていたり、癖のある手の使い方をしていたりすると、片側の肩の肩甲挙筋をずっと引っ張っていることになるので、頸椎が回旋し続けてしまいます。
結果、両肩の傾きの差が生まれたり、両肩のストレスの差が生まれたりして、血管の状態がアンバランスになって血流が正常でなくなります。そこから頭痛が発生するケースは少なくありません。
ですから、頭痛の患者さんを診る時の最初のアプローチとしては、
・検査の段階で、肩甲挙筋の状態を診る
・硬くなっている、左右のバランスが悪くなっている、などがあれば問診等で原因を探る
・硬くなった肩甲挙筋を緩める治療を行う
という方法を、まずはやってみるといいでしょう。
「突然の頭痛へのアプローチ」
とっておきのお話をします。
突然の頭痛というものは大きな苦痛です。ですから、まずは素早く取り去ってあげることが大事です。
まず初めに、その突然の頭痛の原因が何であるかを考える必要があります。
原因が起きる原因がいくつもあって、その辛さから既に対策を取っている患者さんの場合には、必ずしも治せるわけではなくなります。特にアスピリンなどの薬を飲んでる方や、頭部から首、肩にかけて原因があるのではない場合(精神的面での原因など)は、すぐに改善が難しくなることもあります。
薬や精神面に原因があるのではなく、純粋に体、主に頸椎周辺に原因がある場合に取り組むべきことは3ステップに分かれています。
1ステップ目:頭を氷で冷やす
頭痛が起きている時、頭は膨張傾向にあります。頭蓋骨だけでなく、副鼻腔、上顎洞も膨張
していることがあります。それを冷やすと、脈を打っている状態からスムーズな血流へとおさえられ、症状が収まっていきます。
2ステップ目:深呼吸させる
頭を氷で冷やすのが難しい時や、それだけでは充分収まらない時には深呼吸をさせます。
鼻から吸って、すぼめた状態の口からスーッと吐く。これを、酸欠にならない程度に何度も何度も行なってもらいます。頭蓋骨への影響を呼吸でコントロールすることができますので、非常に有用です。
3ステップ目:腹腔・胸腔を広げる
頭部の膨張にしても頸椎由来にしても有用な手段として、腹腔・胸腔を広げることです。
背中を丸めて息を吐き出す→胸を広げて息を吸う。という一連の動作をさせて、呼吸から頭痛にアプローチさせます。
腔を広げるのは良くないという考え方もありますが、広げるというより動かしてあげるイメージです。広げた後に狭める、を繰り返して動かし、呼吸を促します。