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 私は体が弱く体を鍛える意味で両親が道場に通わせてくれていましたが、小学生低学年の頃は、試合に出ても1回戦負けか、たまたま勝って2回戦負け。

 そもそも学校にもまともに行ってない子供でした。

 不器用で帯も自分で結べない。

 

 道場は私たちの練習が終わるとバレエの人たちが使用するので、居残れないのですが、そのバレエの見物の父兄の横でできるようになるまで泣きながら練習していたのを覚えています。

 勝ちたいのではなく、できない自分に負けたくなかったのだと思います。

 

 今でもはっきり覚えています。

 小学5年生の時に、「お互いに礼!」、「構えて!」、「はじめ!」で試合が始まるのですが、

 いつも「はじめ!」で相手を見た時の視界と明らかに違いました。

 見える。見える。

 左のガード下がっているな。右足ベタ足だな。上体突っ込んでいるな…。

 さらに、相手だけでなく、審判も、観客まで視界に入っている。

 「あぁ、いつも応援に来てくれていたおばあちゃんって、こんな顔して見ているのか」と考える余裕があるほどに。

 それからは、試合で勝てるようになりました。

 師範に「吐けるようになったな」と言われ、???どういうこと??なりました。

 「弱い奴は、息吸うて殴ってくるやろ?」

 「あれは体に力入ってんねん。」

 「強い奴は絶対、息吐いてる。」

 「体の力が抜けてるねん。だからな、歯ぁ食いしばってる奴のパンチは大したことない。」

 あぁ、納得。

 だから自分はマウスピースを1・2回でダメにしてしまうのかと。

 めちゃくちゃ食いしばってたんだなぁと。

 

 大人になり、今の仕事の師匠の元でも空手を学びましたが、まず言われたのが、息の吐き方、そして足音。

 目の前にある蝋燭の火を揺らすことなく、息を吐き続ける練習をし、練習中にハァハァと呼吸をすると、とても怒られました。

 それほどまでに、呼吸を大事にしていました。

 足音の話はまた別のブログでお話しします。

 

 今のスポーツ選手は、しんどくなるとすぐにハァハァと表情に出し、頑張っているアピールをしますが、あれはなんなのでしょうね?

 でも、本当の一流は、やはり呼吸がしっかりしているなと感じます。

 

 呼吸とは、唯一コントロールできる内臓感覚です。

 内臓を動かす筋肉は平滑筋と呼ばれ、自分の意思とは関係なく動く筋肉です。

 それとは逆に意識して体を動かせる筋肉を骨格筋といいます。

 肺は、胸郭が膨らんだり縮んだりすることで、動くので、胸郭を動かす筋肉は骨格筋で自分の意思で動かせるのです。

 しかし、腹式呼吸では腹直筋、胸式呼吸では肋間筋や大・小胸筋が動きますが、それらはあくまでも体を動かすための筋肉であって、呼吸のために特化した専用筋は横隔膜しかないです。

 この横隔膜は収縮すると胸郭を広げるので、息を吸うための筋肉なのです。

 つまり、人間は基本的には息を吸うばかりになりがちなのです。

 

 では骨格筋が収縮する理由は、緊張したり、ストレスを感じたりと体が戦闘態勢に入る時なので、イライラした状態が続いたり、姿勢が悪く胸郭が動かない状態が続くと、息を吸うばかりになって、余計に体の中で酸素交換が行われず、全身の緊張が強くなり、不調が出てくるのです。

 逆に、息を吐くことを意識的にしていると、体の緊張が緩んでくるので、イライラや全身の強張りも落ち着いてきます。

 日常の中で息を吐くとは、「話す」、「笑う」、「歌う」が当てはまり、よく考えれば、全てストレス発散といわれる行為ですね。

 

 私のおすすめは、深呼吸することです。

 深呼吸のやり方は、先に吸うのではなく、先に大きく吐く。

 全部吐ききってから吸うようにすると、全身の緊張が緩和され、自律神経も整いやすくなります。

 よく「先生は、肩が凝った時どうするんですか?」と聞かれますが、私はあまり凝らないです。

 普段からよく吐いているからでしょうね。

 皆様も「吐く」を意識して生活してみてはいかがでしょうか?

 

 お困りのことがございましたら、ご質問、ご連絡お待ちしております。

 代表 天堀恵太

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