初めてヘルニアになってしまい苦しんでいる方、自分はヘルニアにはなりたくない!と思っている方、それぞれたくさんいらっしゃいます。
これに該当する方は、過去の記事でヘルニアについての治療法、予防法、そして正しい知識など概要をご説明していますので、そちらをどうぞお読みください。
今回のこの記事は、20~40代という若い頃にヘルニアを発症してから、50~60歳になった今までに何度もヘルニアになった、そんなあなたに向けてお送りします。
✔ 自分のヘルニアは、もう癖になってしまったのだろうか
✔ 何度も繰り返すヘルニアは手術をしなければならないのか
✔ そもそもなぜ自分ばかり、ヘルニアでこんな苦しい目を見なきゃならないのか
と、そんなふうに感じていらっしゃる方は、今回の記事、そして次回の記事を必ずお読みください。
contents
ヘルニアになりやすい人に共通する特徴
どんな病気やケガもそうですが、ヘルニアは万人に平等に襲いかかるものではありません。
一度もなったことがない、ヘルニアとは無縁で生きていけそうだ、と思っている人もいれば、「もう若い頃から何回繰り返したかわからないよ・・」という方もいらっしゃいます。
なぜ、こんな差が生まれてしまうのでしょうか。ヘルニアはどのような人がかかるものなのでしょうか。
一般的には、ヘルニアになりやすい人の特徴として、
・重いものを持ち上げる動作をすることが多い
・中腰の姿勢で作業をすることが多い
・座り仕事をしている
・運動不足
・運動しすぎ(スポーツ選手など)
・太っている
このようなものが挙げられることが多いようです。
total body care Sorriso あまほりでは、ヘルニアで悩む多くの患者さんを診てきました。中には若い頃から何度もヘルニアを繰り返した方も少なくありませんでした。
そして、ヘルニアを繰り返した方々を診ているうちに、いくつかの共通点があることに気付いたのです。
確かに「重いものを持ち上げる」「運動不足」といった、一般的な特徴にも当てはまるところはあります。しかし別の視点から共通点を洗い出すこともできそうだと感じ、分析してまとめてみました。
当院が見つけた「ヘルニアを繰り返す患者さんの特徴5選」は以下の5つです。一つずつ解説していきます。
1、3ヶ月以内に、体重が5キロ以上増えた、または減った
ヘルニアの人に見られる特徴は、単に「体重が重い」だけでは足りません。体重が急に増えたかどうかがポイントです。
そして、体重が急激に減った人も同じくらいの確率でヘルニアを発症していることがわかりました。
ダイエットの経験がある方ならお分かりかと思いますが、3ヶ月で体重が5キロ減るというのは、「甘いものをちょっとだけ我慢しました」程度では不可能で、何かしらの大きな制限をかけたと考えるのが自然です。
多いのは糖質制限や水分制限です。糖質制限は特に流行っていますので、チャレンジしている人が多いようですね。
一時的に糖質をカットするのは問題ありませんが、長期にわたって全く炭水化物を摂らないなど、過度な制限を続けると、どうなるでしょうか。
お米に含まれるブドウ糖は脳と体を動かすエネルギーとして必要な栄養素です。
そのブドウ糖が食事から補給されないと、体は、自身の体のどこかを削ってブドウ糖の代わりとなるものを作り出そうとします。そこで、筋肉や内臓の一部が分解されて、ブドウ糖の代わりをさせられるのです。
筋肉や内臓が分解されるなんて、どう考えてもいいことではありませんよね。実際、分解された筋肉や内臓は弱っていきます。
それが続けば、体全体の機能が徐々に正常さを失うことにもなりかねません。そして、ヘルニア発症にもつながります。
筋肉と内臓が適切に機能していれば、正しい姿勢と循環が保たれるのに、食事制限によってわざわざ機能を乱すため、ヘルニアを招く結果となってしますのです。
逆に体重が急激に増えた人は、栄養価的には充分すぎるほど摂取しているはずですので、また別の原因があります。その原因とは、姿勢です。お腹まわりが一気に重たくなるために、背中が反りがちです。背中を反らせた状態は、圧力を後方にかけることになるためヘルニアを誘発してしまいます。
2、産後1ヶ月以内に体に無理がかかることをした
3人目の出産なので退院後はゆっくり寝ていられず動き回ってしまった、家庭の事情で急に働くことになった、農家に嫁いだため畑仕事をやった。
など、産後間もないうちは骨盤が安定していないにも関わらず、このような無理をしてしまったことでヘルニアになってしまった方がいます。労働だけでなく、転倒もこのパターンに含みます。
骨盤が緩んでいる間に骨盤に負担をかければ、当然歪みやすくなります。そして、産後ゆっくりと骨盤が閉じていく際、歪んだまま閉じてしまうのです。
そうすることでヘルニアになりやすい腰周りができ上がってしまい、何度も繰り返してしまうのです。
3、体は硬いが一部の関節が良く曲がる
手首や指など、一部の関節が妙に曲がる人っていますよね。
手の親指をグッと曲げれば手首に触れさせることができたり、指が第一関節から直角に近い角度で反れたり、できない人から見たら信じられない角度の関節の動きを見せてくれる人です。
実は私もややそのタイプです。親指を手首に触れさせると「柔らかいね~!」とビックリされるのですが、体が全体的に柔らかいのかと言えば全くそんなことはありません。
前屈、開脚などの柔軟体操はごく人並程度にしかできません。柔軟体操で必要なのは筋肉の柔らかさであるのに対し、指や手首などの関節が曲げられるのは靭帯の柔らかさのなせる業なのです。
靭帯が柔らかいからと言って筋肉も柔らかいのかと言えば、決してそうではない、ということですね。
そして、靭帯が柔らかいのは決していいこととは言えません。その原因が、ホルモンバランスの乱れである可能性があるためです。
ホルモンバランスが乱れると、靭帯に影響が出ます。関節を、本来繋ぎ止めておくべき範囲内に抑えることができなくなるのも、その影響の一つです。
ホルモンバランスとヘルニアは相互に深く関わっています。ホルモンバランスが乱れて、靭帯に影響が出て、また骨も弱くなることがあるためです。
実際、閉経後の女性はホルモンバランスが乱れて腰痛やヘルニアを発症しやすくなる傾向もあるほどです。
ヘルニアは腰に何らかの圧力がかかって椎間板が飛び出てしまうものですが、椎間板が飛び出るのを、ホルモンバランスが乱れているがために抑えらない体になってしまっていて、結果何度も繰り返してしまうことがあります。
靭帯だけが明らかに柔らかい方は、ホルモンバランスが乱れており、それによってヘルニアを繰り返してしまっている可能性もあるということを覚えておくと良いでしょう。
4、「ノー」と言えず、頼まれたら断れない
「私、頼まれると断れないんです」と言う人は少なくありませんね。日本人の気質なのでしょう。
そういう人が全員ヘルニアになる!という乱暴な話をしているのではなく、ヘルニアを繰り返す人の性格を分析した結果「嫌だ」「断る」などと言うことができないタイプの方が多かったということです。
断れないタイプの人は、「本当は断りたいけど、性格上それを口に出すことができない人」です。
つまり、無理をしている人だということ。常々、自分のキャパシティを超えた動き・労働をしていたり、多くの課題を一度に抱えるなどしてストレスにさられたりしているのです。
ストレスを抱えることはホルモンバランスにも影響します。そして、過度な労働も腰へ物理的な負担を与えます。これらにより、体に内から外から無理がかかってヘルニアを繰り返し発症するのです。
「断れない」という性格からヘルニアに至るなんてなかなか想像がつかないかもしれませんが、当院での患者さんの問診では明らかにその傾向があることがわかっています。
5、幼少期から食生活に偏りがある
「食生活の偏りがヘルニアを引き起こす」と聞くと、体に充分な栄養が行き渡っていないために骨や筋肉、内臓が弱っているのだと思うでしょう。
もちろんそれも少なからずあると思いますが、実はそれだけではありません。
食生活に長らく偏りがある人は、考え方や価値観、行動にも偏りが見られることが多いように感じます(その偏りが良いものかそうでないかはさておき)。
例えば、人の行動をジーッと観察する癖がある、逆に人の表情を見ないで耳から入る情報ばかりを追っている、といったことも「偏り」です。
バランスが取れた人と比べて、一部の行動を取る時間が長かったりこだわりが強かったりします。
もちろん、その「偏り」があるために良い成果を得られる人もいるでしょう。偏ることがすべてにおいて悪いのではありません。
ただ、体のことを考えた際には、食生活を始め強い偏りがある人は、行動だけでなく姿勢や動作にも偏りを生んでしまう可能性が高いことを忘れてはなりません。
そしてまた、食という基本的な部分の偏りを見直さないうちに、価値観や行動、姿勢だけをどうにかバランスよくしようとしても難しい面があるように感じられます。
偏った食生活を長年続けていることがヘルニアを繰り返す人の特徴の一つとして挙げられるのには、そんな理由があるのです。
以上が、ヘルニアを繰り返す人に見られる、当院で分析した共通点5つです。何度もヘルニアを発症する人は、少なくともこれらの中の一つには当てはまるケースがほとんどです。
恐らく、ヘルニアを改善させようとするときには思いもつかないような特徴ばかりだと思いますし、人の食生活や性格など、かなり本質的な部分も指摘していることに驚かれた方もいらっしゃるでしょう。
しかし、ヘルニアに一度なってしまった、という程度ではなく「繰り返している」という状態から脱するためには、ちょっとした運動とかストレッチといった手軽な努力だけでなく、生活や性格、考え方など自身の根本的な部分から見直す必要もあるのです。
今すぐに改善しよう!と思ってできることは少ないかもしれませんが、今の状態を変えるための第一歩を踏み出す際には、ぜひこれらのことを心に留めておいていただければと思います。
ヘルニアの手術に対する基本的な考え方
ヘルニアを繰り返す人の共通点を解説したところで、次に「では繰り返すヘルニアにどう対処すればいいのか?」について、お話をしていきます。
基本的にヘルニアは、放置しておいて構わないとされています。
その理由は、飛び出た椎間板が白血球によって異物とみなされ、分解されてしまうため、飛び出た部分を今すぐどうにかしようと思わなくてもそのうち自然治癒してしまうためです。
当然、治癒するまでは痛みがありますし、日常生活に支障が出ることもあるでしょう。
その間安静に過ごすことが可能なのであれば、わざわざ手術をしなくてもいいと考えます。手術をすればその分早く治癒しますが、手術には必ずリスクが伴うことも忘れてはいけません。
ヘルニアを繰り返す人は、これまで述べたように根本的な原因を抱えているからそのような状態になってしまっています。
ですから、手術をして治癒させたところで、その根本的な原因を解決しなければ、結局はまたヘルニアを発症してしまうでしょう。
「手術するかどうか」を気にするお気持ちもわかりますが、それ以上に「これ以上ヘルニアを発症しないために自分はどう変わっていったらいいか」という点について真剣に向き合っていただくことが大事なのです。
ただ、全てのヘルニアが手術不要なわけではありません。手術をした方がいいケース、また今すぐにでも手術をしなければならないケースもあります。これらについてはまた次の記事で解説をします。
まとめ
大阪府大阪府河内長野市の整体院は、ヘルニアに苦しむ多くの方と接し、治療をしたり然るべき指導を行ったりして改善させてきた実績があります。それがあるからこそ、今回の記事でご説明したような「ヘルニアの人に見られる共通点」(一般的に言われているものとは別の、もっと切り込んだもの)を分析してピックアップすることができています。この分析は、患者さんのお話をじっくり伺い、痛みや症状の度合いを診るだけでなく悩みや不安といったメンタル面のフォローも行ったために実現できました。
ヘルニアを繰り返す方は、ただただ「悪い部位を治す」だけでは足りません。そのような状態になってしまった原因から探って、改善までをサポートする必要があると考えています。
丁寧な問診を受けていただくだけでも「来てよかった」と思っていただけるはずです。ヘルニアの痛みだけでなく、心の負担もご一緒に取り除きましょう。
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