ヘルニアになり激痛で夜も眠れなく、病院に行って痛み止めをもらったが効かず、ブロック注射をしたが1~2時間だけ。こんな方が次に選択肢として考えるのが手術です。今回はこの手術を受けた方がいいのかどうかを大阪府大阪府河内長野市の整体師が解説します。
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椎間板ヘルニアとはどんな症状か
背骨の模型をご覧になったことはありますか?脛の骨などとは様子が違って、ブロックが積み重なったような形をしています。あのブロック状の骨と骨の間には、クッションの役割を果たす軟骨「椎間板」があります。
腰に負担がかかったり、何かしらの衝撃が加えられたりすることで、この椎間板が押し出されて突き出ることがあります。突き出た椎間板が、背骨に沿って通っている神経を刺激して痛みを生じさせると「椎間板ヘルニア」と診断され、何かしらの治療が必要となります。
腰の部分の神経が刺激されるので腰痛ももちろん出ますが、それよりもその神経の行きつく先であるお尻から太ももにかけての痛みの方がひどい場合が多いです。一般的に「坐骨神経痛」とされ、多くの方が悩んでいらっしゃいます。
神経は、圧迫されると痛みが生じるように思われますが実際にはそうではなく、引っ張られると痛みが生じます。神経は「伸展」で痛みが起きると覚えておいてくださいね。
椎間板の断面図を診てみましょう。中心に「骨髄核」という核があり、それを同心円状に囲うように繊維輪があります。飛び出るのはこの中心の骨髄核であり、その時に繊維輪が破損してはみ出てしまうのです。破損するのですから当然、炎症が起きます。炎症は熱を持ち、その熱が神経に伝わります。それによる痛みがまずひとつ。そして飛び出た骨髄核が神経の敏感なところを傷つけることによる痛みがひとつ。そして先ほど書いたように、神経の伸展による痛みがひとつです。
椎間板ヘルニアで病院に行くと、痛み止めとして骨にブロック注射を打たれますね。ただ、あのブロック注射が効かない人も少なくありません。その原因は、神経の伸展が改善されていない、炎症が改善されていない、などが挙げられます。また不安が強い人は感じる痛みの度合いが強くなる傾向がありますので、精神的な要因も少なからず含まれます。
ヘルニアは放っておいても治る??
突き出た椎間板は、白血球によって異物とみなされ分解されます。一日二日で分解され切ることは難しいですが、1~2ヶ月もすれば自然と消滅し、椎間板は元の状態に戻ります。ですので、放っておいても治ります。
別のパターンとして、繊維輪から完全に骨髄核が出てしまわずに、繊維輪の中におさまっており、繊維輪が押されて神経を圧迫している場合があります。これは白血球に発見されないので非常に治りにくく、ヘルニアになってしまった原因を取り除く必要があります。
なぜヘルニアになってしまうのか、その原因は?
そもそも、ヘルニアは左右対称に同時に起きるなんてことは無く、左右どちらかに偏って起きます。つまり体の歪み、偏りがあることでヘルニアになるのです。右足に体重をかける癖がある人は、たいてい右肩が下がっています。そして歩く時だけ骨盤を傾けて体全体を真っすぐになるように「見せる」のです。実際骨盤は真っすぐではなく傾いています。すると左側が圧迫され、椎間板が右側に飛び出る可能性が高くなるのです。
また、ホルモンバランスの乱れが原因となることもあります。ホルモンは骨を繋ぎとめる靭帯を緩める作用がありますが、産後の女性や更年期でホルモンバランスが乱れている40代前後の女性は、靭帯が緩みやすくなってヘルニアやすべり症を発症することがあります。
手術するべきかどうかの判断基準
「ヘルニア=手術!!」と思っている方が少なくありません。また、残念なことですが安易に手術を勧められることもあるようです。しかし、ヘルニアは1~3ヶ月で自然治癒することを考えれば必ずしも手術の必要はないと言えます。
中には手術が必要な場合もあります。この判断基準を参考にしてみてください。
①排尿・排便に異常があるか
ヘルニアを発症したことで、直腸膀胱障害が生じることがあります。直腸膀胱障害とは排尿や排便に異変が起きる症状で、便や尿の頻度が異常に短くなったり、逆に出なくなったりします。
こうなってしまうと問題はヘルニアだけではなくなり、腎臓や腸などといった内臓に悪影響が及ぼされますので、手術をした方が良いと考えます。
②1~3ヶ月の安静と治療が可能か
自然治癒するとはいってもその期間は短くはありません。1ヶ月から、長くて3ヶ月ほどかかります。その間にも当然痛みがあり、体を酷使する仕事は難しくなります。基本的には安静にして、姿勢改善や生活環境の見直しなどを行って、治療とともに再発リスクを減らすことが理想ですが、そのこと自体が不可能な場合には手術でとりあえず痛みを取り除く方がいいと言えるでしょう。仕事を減らすことができない、急いで痛みを除かないと生活上の大きな問題が起きる、などの場合は手術を検討しましょう。
手術は避けた方が良いと考える理由
私は、基本的に手術はしない方がいいと考えています。その理由は2つあります。
1つは、手術をすれば痛みが取れて万々歳・・とはならず、リスクも伴うためです。例えば「椎間板の量が減る」「体の傾きを調節する効果のある皮膚を傷つける」など、それぞれの部分にはそれぞれの機能があるにも関わらず、手を加えることで本来の状態から離れてしまうため、いくら手術が成功したとしても、ヘルニアになる前と全く同じに戻れるわけではありません。手術がうまく行くかどうかのリスクとは別に、体の機能が変化することによるリスクは付き物です。
そして2つ目は、根本的に姿勢や生活環境を変えることができなければ、高い確率で再発するためです。手術したとしても、「なぜ自分はヘルニアになってしまったのか?」と、真剣に考え向き合う必要があります。
ヘルニアは生活習慣病!?
ヘルニアは外傷ではありません。日常生活の中に潜むいろんなことが原因となって、ある日発症するものなのです。ヘルニアとは程遠い生活をしていたにも関わらずなってしまった・・というのはそうそうありません。
そういった意味では、生活習慣病にも似ているかもしれません。また花粉症も近いものがあります。生活習慣病は、日々の食事の栄養バランスが偏っていたり、脂質や糖質を多く含む食事(例えばカツ丼プラスうどんのセットとか)を好んでいたり、寝不足が続いていたり、慢性的な運動不足であったり、そんな生活習慣から生まれる病気です。遺伝的な要因が含まれることもあります。
そして花粉症も同じで、体の免疫系を司り「第二の脳」と言われる腸の働きを弱めてしまうような食生活を続けているとかかりやすくなります。甘いものやグルテンを含む食事を多くとっている、カフェインやアルコールを好む、などが挙げられます。
そんな生活習慣病や花粉症を、手術で治すことができたらどうでしょうか?実際にできるのかどうかは別にして、少し考えてみてください。
きっと希望者は殺到すると思いますが、その手術は応急処置でしかありません。つまり、その時出ている症状を緩和し、不快や不調を取り除く効果はありますが、裏を返せばそれだけの効果しかないということです。
不調が取り除ければいいじゃないかと思う人もいるでしょうが、そもそも生活習慣病も花粉症も、その人の食生活や不規則な生活が原因で起こっているのですから、手術で症状を緩和することができたとしても、ご本人が生活習慣を改めなければ、高い確率で再発するのです。「手術は応急処置」といったのはそのためで、手術で緩和されたからといって、再発しないことを約束されたわけではない、ということを肝に銘じておくべきなのです。
手術してもしなくても姿勢や癖の見直しは必須
ヘルニアは生活習慣病や花粉症に近いものがある、と申し上げました。ヘルニアも、悪い姿勢が癖になっていたり、腰に負担のかかる仕事をしていたりすることで発症します。それ以外の避けられない原因で起きることもありますが、日々気を付けていれば防げる可能性が大きくなるものなのです。そこで、ヘルニアになってしまって「痛いから手術しよう」と安易に考えても、手術後に同じような生活を続けていたらきっと再発してしまうでしょう。
ですから、ヘルニアになってしまった場合は、その痛みをどうにかすることももちろん重要ですが、それ以上に「なぜ発症してしまったのか」を考えていただきたいと思います。そうしないと、最悪の場合は手術を受けてもまた痛くなり、また手術をして、また痛くなり・・を繰り返すことになります。
病院で手術を受けるかどうか、その判断は、症状の重さや日常生活にどれほどの支障をきたし、痛み以外の問題を併発しているかがポイントとなります。安静にしてアイシングすることで痛みが和らぎ、その合間に仕事ができたり、整体院に通って体のゆがみを改善して根本的な改善を目指していくことが理想です。
ただし、急いで痛みを取り除く必要があって手術を受けた場合でも、術後に痛くなくなったからと言って放置していていいわけではありません。繰り返しになりますが、腰椎ヘルニアは腰に負担がかかる姿勢や動作、また正しくない姿勢が癖になって起こることが多いので、痛みを取り除いた後は、再発させないために原因を取り除かなければなりません。ヘルニアの手術を受けた後、昔のように元気にすたすたと歩くことができなくなってしまった人や、家に引きこもりがちになってしまった人も少なくありません。それらは術後のケアが不十分である場合に起こります。
術後のケア(リハビリを除く)や体のゆがみの改善、根本的な体質改善を病院で指導されることは少ないので、その点は信頼できる整体院に相談するのがいいでしょう。
ヘルニア予防・再発予防のセルフチェック
ヘルニアになるかどうか、そして手術をしたとしてもしなくても、再発をするかどうかは、普段の姿勢や癖が大きく関わっていることがご理解いただけたでしょうか。あなたもご自身の癖や姿勢を把握しておきましょう。
簡単にできるセルフチェックの方法をお伝えしますので、ぜひ実践してみてください。
セルフチェック(まずは上半身のみ)
・体が右に倒れているか、左に倒れているか
・体が右に捻っているか、左に捻っているか
座って、できるだけ膝同士を近づけた状態で胸に手を当てます。そして体を右に捻り、左に捻ってみて、どちらがスムーズに捻ることができるかチェックします。
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次に、仰向けに寝て膝を立ててから膝を開きます。その状態で足先を左右に動かしてみます。それでどちらが動かしやすいかチェックします。
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私の場合は、左に捻りやすく、右に動かしやすいので、普段右足に体重をかける癖があることがわかります。そこまで分かれば普段意識することができますよね。右足から階段を下りる癖を左足に変えてみる、右肘で肘枕をしながらテレビを見ることが多いと気付けば、テレビを正面において肘枕をしないようにする、などの工夫ができます。
まとめ
ヘルニアになったということは必ず原因があります。その原因を改善していかなければ、手術をしたとしてもまた再発してしまいます。手術は一番最後の選択肢として残しておいて、まずはできることをやっていく。悪習慣を断つということをオススメします。
total body care Sorriso あまほりでは、検査・問診を徹底して行っています。しっかり時間をかけるので煩わしいと感じる患者様もいらっしゃるのではないかとちょっと心配になるほどです。
なぜそこまで徹底した問診を行うかというと、ヘルニアや慢性的な痛みなど、腰に現れる症状は、は必ず今までの体の使い方、食事、生活習慣が原因となるからです。まず、①筋肉・筋膜 ②骨 ③靭帯 ④自律神経が支配する内臓 ⑤血管 の、この5つのどこが原因で痛みが出ているのか検査、触診し、細かい問診により習慣の何を変えれば根本的な腰痛改善ができるのか突き止めていきます。ヘルニアになった方、ヘルニアの手術を受けた方でも生活習慣の改善は必須となりますので、本気で根本的な改善を目指したい方、再発させたくない方は、ぜひ当院へご相談ください。
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